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臭素化エポキシ樹脂
赤燐難燃母粒
 
 
 臭素化エポキシ樹脂の紹介
 臭素化エポキシ樹脂(英語略号:BE或いはBEO)は、その良好な電気性能や物理機械性能によって、次第に電子、自動車、事務器材、家庭電器などの業界で広汎に応用されて来ました。当該製品は、優れた溶接流速度、高い難燃効率、優れた熱安定性及び光安定性を持ち、また、難燃された材料に良好な物理機械性能を与える為に、広汎にPBT、PET、ABS、ナイロン66、熱可塑性ポリウレタン及びPC/ABSプラスチック合金など熱可塑性材料の難燃剤として応用されて来ました。
 臭素化エポキシ樹脂は、高い臭素含量を持っている為に、とりわけ紙や布積層板に適した難燃剤として使われます。臭素化エポキシ樹脂シリーズ製品は、キャスタブル材料、ディップ材料、塗料、粘着剤などそれぞれ違った材料の難燃要求を満たすことができます。
 臭素化エポキシ樹脂は、その端基構造式からEP型とEC型に分かれ、 EP型は優れた耐候性、 EC型は優れた熱性能と流動性、優れたHDTと離型性能を持っています。

 化学名称
英語名:English Name:Brominated Epoxy Oligomers or Brominated Epoxy Resin
EP型構造式: Type EC Structural Formula:CAS NO.:68928-70-1
EC型構造式:Type EC Structural Formula:CAS NO.:139638-58-7 135229-48-0
 
性状:水、アルコール、キシレン、メチルエチルケトン等には溶けないが、DMF、エチレングリコールジメチルエーテルに溶ける。

  典型的特徴
●高い熱安定性と耐熱劣化性能
●傑出した加工性能
●霜析出の現象がない
●高いUV安定性
●腐食性がない

  典型的製品品質指標
KBE-2010K(ポリマー)

外観: 白い粉末
溴含量:52%
分子量: 10000
比重: 1.80
溶融温度範囲:175-185℃
色値:(10%二酸素ヘテロ環エタン、APHA ) 100
熱無重力:1%(wt) 330℃
5%(wt) 340℃
10%(wt)352℃

KBE-2025K(ポリマー)

外観:白色~薄黄色顆粒
溴含量:53%
分子量: 25000
比重: 1.80
溶融温度範囲:175-185℃
色値:(10%二酸素ヘテロ環エタン、APHA)100
熱無重力:1%(wt) 337℃
5%(wt) 344℃
10%(wt)351℃

KBE-3010K(ポリマー)

外観:白色~薄黄色顆粒
溴含量:53%
分子量: 10000
比重: 1.90
熔融溫度範囲: 175—190℃
色値:(10%二酸素ヘテロ環エタン、APHA)100
熱無重力:1%(wt) 338℃
5%(wt) 340℃
10%(wt)354℃


  臭素化エポキシ樹脂の応用特徴

概要
 プラスチック用臭素化エポキシ樹脂は、毒性が低い、環境に優しいなどの特徴があり、重合物との相性が悪い、流動性が低い、燃焼時臭化ジヒドロキシキノリン等の毒物を発生するといったポリブロモジフェニルエーテル等従来の難燃剤の欠陥を克服し、電子電器や自動車などの家電が難燃材料に対する要求を満足しました。電子クラスの臭素化エポキシ樹脂は主に、 FR-4型剛性板と多層電気絶縁積層板に使われ、プレートの紫外線遮断や蛍光増強の機能を高めます。電子クラスの高純度固体臭素化エポキシ樹脂は主に、高臭素含量の樹脂体系に使われ、高性能や高信頼性が必要な電子分野に用いられています。

製品応用の特性について
 弊社は、KBE型臭素化エポキシ樹脂難燃剤を専門に開発しており、そのユニークな利点を下記の通りに紹介します。
1.臭素の透析がなく、相性が良い
 テトラブロモビスフェノールA(TBBA)やポリブロモジフェニルエーテル(DBDPO)等の低分子ブロマイドは良好な難燃性を持っているにも拘らず、加熱状態で少量の臭素が表面に移転透析して金型及び電気部品の接点に対しある程度腐食性を与えます。しかし、KBE型臭素化エポキシ樹脂難燃剤はこのような欠陥はありません。KBE型臭素化エポキシ樹脂難燃剤は、ポリスチレン(PS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ABS樹脂、PC/ABS、PBT/ABS合金など各種プラスチックに対し良好な相性を持っています。
2.熱安定性が良好
 エンジニアリングプラスチックの加工成型温度は氾用プラスチックより高く、皆230℃以上になります。低分子ブロマイドの熱安定性はKBE型臭素化エポキシ樹脂より劣っており、KBE型臭素化エポキシ樹脂の熱分解温度は300℃以上であり、分子量が大きければ大きいほど分解温度が高くなります。
3.色収差(△H)の変化が最小(図―1を参照)
 30%のガラス繊維を用いて増強されたPBTに各種難燃剤を添加して射出成型テストを行い、同じ270℃の加熱バレルの中で20min滞留させ、その後、各種製品の色収差を比較し、その結果、高分子臭素化エポキシ樹脂で作った難燃剤の色収差の変化は最小となることが分かりました。
4.ポリマ-の物理性能に対する影響
(1)耐熱性と分子量との関係
KBE型臭素化エポキシ樹脂は分子量の増加に伴ってポリマ-の改性材料の耐熱温度も高まって来ます。
(2)機械強度と分子量との関係
KBE型臭素化エポキシ樹脂は分子量の増加に伴って吸水率が小さくなり、熱変形温度も良くなってPC/ABSに対する衝撃強度を高めました。
(3)耐候性が良い(図―2を参照)
機器設備等外観の色や艶への要求が高い為に、難燃剤を使用した後のプラスチックの色収差の変化は重要視されています。図―2は、 ABS樹脂にそれぞれ違った難燃剤を添加して屋外放置後、色差計で測定した標準サンプルと比較して得られた耐黄性能(△H)を示したものです。図―2から、難燃剤のDBDPOとTBBAが臭素化エポキシ樹脂より黄変し易く、KBE型臭素化エポキシ樹脂は優れた耐候性を持っていることが分かりました。
5.他の樹脂との相性が良い
 樹脂に有効な難燃性を持たせる為に、臭素含量を13-15%持たなければなりません。 KBE型臭素化エポキシ樹脂の中の臭素含量は53%以上に達したので他の樹脂と相溶でき、有効な難燃性を持つと同時に良好なしなやかさや他の性能が得られます。
6.KBE型臭素化エポキシ樹脂は、金属金型への腐食性、臭素の透析性、耐熱性、溶融流動の速度が皆他の難燃剤より優れています。
7.耐銅移転性能を高める。(とりわけプリント基板)
8.毒性が無い。

製品構造について
 汎用難燃剤は一般にブレンド型と充填型で、つまり難燃成分は物理状態でプラスチックの中に分散し、仕込量が大きくなると製品性能を低下させることがあります。それに対し、KBE型臭素化エポキシ樹脂は反応型難燃剤で、仕込んだ難燃剤が最終的に他の樹脂の大分子鎖と結合していて、難燃の安定性が良く、消え難いです。

お勧めの調合指図書
プラスチック用難燃剤のお勧めの調合指図書は下記の通りです。

組成

KBE-2040K
KBE-3014 KBE-2016
KBE-3020 KBE-2015K KBE-2025K
PBT 49.8       55 55
ABS
    73 73    
ガラス繊維
30          
難燃剤
12 16 18 18 13.6 13.6
三酸化アンチモン 7.5 5 6 6 6 6
燃燒性能(UL-94)
           
0.8mm
V-0       V-0 V-0
1.6mm
V-0 V-0 V-0 V-0    
熔融指數            
g/10min,200℃-5Kg   9(9.4) 25(10) 25(10)    
g/10min,250℃-2.16Kg
20       24 22
無切欠衝撃J/m
65          
V型切欠衝撃J/m
  19.0(38.5)     57 54
引張強度MPa
110 27.4(30.9) 47 46 102 105
引張破断伸度%
2 35(55) 8.5 9.9 2.1 2.1
曲げ弾性率MPa
1.2×104 2.16×103 2.4×103 2.45×103 8.6×103 8.7×103
注:()の中は純樹脂の性能です。
PA66難燃調合において、PAAは55、ガラス繊維は30、KBE-3010Kは20、三酸化アンチモンは6、難燃グレードは UL94V-0。
 

 梱包について
 固体臭素化エポキシ樹脂の梱包形態は、内張り紙プラスチック複合袋を使い、正味重量25kgです。顧客の要求に基づく梱包もできます。液体臭素化エポキシ樹脂の梱包形態は、25kg、50kg、100kg、200kgの亜鉛めっき鉄製ドラム缶を使います。

 保管輸送について
 臭素化エポキシ樹脂は、正常な環境の下で、安定性が良いです。普段は容器を密閉させるか袋の口を締め括り、乾燥で風通しの良い屋内に保管して下さい。固体臭素化エポキシ樹脂は無毒かつ非危険物として取扱います。液体臭素化エポキシ樹脂は直射日光や熱源や火元等を避け、危険物として取扱います。

 使用上の注意事項
 皮膚や眼との接触を避け、粉塵や溶液を吸入してはなりません。使用する時、作業服、手袋、ゴーグルを着用し、そして、マスクをしなければなりません。

 

 

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